斜位とは
快適な眼鏡の度数を求めるには、近視・遠視・乱視の屈折度数の他に、眼位といわれる左右の視線の位置関係も考慮したうえでの度数でなければなりません。
例えば、遠くを見た時に左右の視線はほぼ平行になり、近くを見る時の左右の視線は内側に寄ってきますが、これを輻湊(ふくそう)とよんでいます。
見るものが近くになればなるほど左右の眼は寄り目の状態になってきます。
左右の眼は見るものに合わせて、よせ運動(内よせ、外よせ)を繰り返しています。
しかし、このよせ運動には個人差があり、よせ運動の弱い人も多く、快適な視覚を阻害する原因になっているケースもあります。
遠見時の視線 近見時の視線 内斜位(左右の視線のズレ)
この状態を斜位といい、内よせ運動の弱いケースを外斜位(がいしゃい)といい、外よせ運動の弱いケースを内斜位(ないしゃい)といいます。
斜位の原因には様々な要素が考えられますが、その原因の一つには、目を動かす筋肉に問題があるケースや、近視や遠視の未矯正や適切な屈折度数の未矯正もスムーズな眼球運動を阻害する原因になっていることも考えられます。
近視や遠視の適切な屈折度数の未矯正が斜位の原因になっているケースもあり適切な眼鏡度数により、多くの軽微な斜位は解決することができます。
これは眼の調節(ピント合わせ)と眼のよせ運動は互いに連動するためですが、例えば、遠視の低矯正と近視の過矯正では、より多く調節(眼のピント合わせ)が要求されるため、眼のよせ運動もより多く内よせに働いてしまうために、調節と輻湊のバランスが崩れ、眼の疲れ等の症状が起こってきます。
この水平方向の斜位のほかに、垂直方向に左右の視線がズレる上斜位があります。
上斜位は特に眼精疲労やものが二重に見える複視の原因になりますので、プリズム処方による斜位矯正の必要がでてきます。
快適な眼鏡をお作りするためには、このような眼位を考慮した適切な眼鏡処方が必要です。
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